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絵とかなんとか色々置いておく場所です。
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かつて二人で走った木の間から、星を眺める。
 風にそよぐ木々のざわめきは、穏やかそのもの。

「クウガ様」

「俺はもう、クウガではない。クウガはお前の名だろう」

 若い声の主のほうへ視線を投げもせずに紡ぐ。

「皆、俺を置いていってしまった」

 かつては、このざわめく木々の音と共に走った。
 風が立てるものか、相手が立てたものか、はたまた自分が立てたものか。
 夜毎駆け抜けた森。

『地獄に落ちたら、遊びに来い』

 自ら地下に己を縛らせた、あいつの声がする。

「俺は、どこに行くのだろうな」

「……隠密方」

 若い声を聞き流して、再び空を見上げる。
 視界の端に見える己の髪は白く。
 袖で組んだ腕には、もはや昔のような筋はない。

「感傷など忍びには似合わん、か……」

 踵を返し、ざわめきに背を向けて歩く。

 あの時。
 脳裏から離れない光景が増えた。
 消える一瞬、涙を流していた、禍々しい霊。

「クウガ」

「は」

「お前には、地下神社に誰が祀られているか話したな」

 木々が、ざわめく。

「この地に掛けられた封呪も」

「は。全て聞き覚えましてございます」

 風とともに、若い声が渡る。

「その一切、書にすることを禁ずる。ただし……」

 ああ、馬鹿だと笑うなら笑え、烈将。

「必ず、クウガを継ぐ者に伝えゆけ」

 穏やかだった風が、少し変わった気がした。
 まるで、修練中にあいつが笑ったときのように。

「……御意」

 声が、風をわたって聞こえた。



 輪廻など、信じない。
 けれど、もしも。またクウガに生まれ変わるなら。
 そのときには、口伝の知識でも、お前を知っていたい。

 この風は、地下までも届くだろうか。
 耄碌したもんだな。
 風を伝って、あいつの声が聞こえた気がした。

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変わらぬ定めを受け


この地の封印となった。




散る花びらは、その証と定めた。



もう、ずっと昔の話になってしまったけれど。


いまも憶えている、封呪。

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人払いされた、天津の地。


人知れず行われた、土地神の儀式。

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友人が書いてくれたSSに触発されて、カッとなって書いた。






桜の散るは、何時見ても変わらない。


それが封印の証でもあるのだけど。




思い出すは、既に忘れられた昔。

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夜桜幽玄会に沸く天津の地下にて催されていた宴。

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詩柳耶琴
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自己紹介:
ラグナロクオンラインのアマツ萌え&自キャラによる人形遊びな実験的短編置き場

といいつつ、いろいろ詰め込んであります。

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