絵とかなんとか色々置いておく場所です。
「三段掌!!」
手と一体となるように装着された爪が、スリーパーと呼ばれる砂の妖を切り裂く。
先ほどまでうるさく腕のようにのばした砂でこちらにかかってきたそれが、爪の形に三等分に分かたれて、さらさらと地に帰っていく。
「ふう……」
妖力のこもった砂が、爪にこびりついている。
特に困ることはないのだが、なんとなくその砂を払う。
連撃の爪、と呼ばれる、この武器。
白を基調とした、どこか格式高い雰囲気を感じるこの爪。
なんとなく、みていると渡してくれたあの少女の面影が浮かぶ。
****************************************************************************
「……うるしさん。爪、つかう?」
あれは確か、2週間ほど前のことであったとおもう。
いつも通りたまり場であるところの首都の一角に座っていると、不意に声をかけられた。
声の主はもはや言うまでもない。闇の目隠しで己の目を覆う、白髪の女ローグ。
「ん、まぁ使うけど……なんで?」
「これ。」
差し出されたのは、日の光の下、きらきらと輝く新品の爪。
白を基調にした、どこか格式高い雰囲気を感じるそれ。
「どうしたの?」
「氷の洞窟で狩ってたら、拾った。」
相変わらず言葉は片言に近い。
アマツの妖たちもそうだが、一般にこの国でモンスターと呼ばれるモノ達は、稀に武具や防具を形見のように落としていくことがある。それらは通常の店では扱っていないものがほとんどで、通常の店で扱っている商品であっても妖達の力を封じた護符を収める穴が多かったり、遺して行った妖達の力が宿っているのか、不思議な力が宿っている。こうした妖達の遺品はその性能や発見されづらさなどによって、想像を絶する値段で取引されている。
彼女が差し出すこの爪も、そういった妖の遺品であるらしい。
「私、装備できないし。他に装備できるの、うるしさんくらいだから」
片言ながら、静かな声がつむがれる。
「ん、そうか。ありがとう。もらうよ」
相手の顔が、柔らかく崩れる。
おそらく初めて。この少女の笑顔を見た。
****************************************************************************
休憩がてら、追想にふけってしまったが。
そんなわけで、普段つかっているもの代わりに装備してみているわけだが。
この基色になっている白のせいだろうか、あの少女の面影が浮かぶ。
肉親の顔はもちろん、血縁の愛など知らない。
クウガ流に与する者全てが僕の家族であり、それに勝るものは無い。
そう信じてきたし、今もそれに変わりはない。
だけど。
僕の本来の髪の色、瞳の色と同じそれを持つ、あの少女だけは。
どうしても、他人とは思えない。
再生したのか、新たに地から生まれ出でたか。スリーパーが休む僕を認めて向かってくる。
爪をしっかりと手の甲にはめる。
気高い白が、控えめに輝いたのは見ないフリをした。
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手と一体となるように装着された爪が、スリーパーと呼ばれる砂の妖を切り裂く。
先ほどまでうるさく腕のようにのばした砂でこちらにかかってきたそれが、爪の形に三等分に分かたれて、さらさらと地に帰っていく。
「ふう……」
妖力のこもった砂が、爪にこびりついている。
特に困ることはないのだが、なんとなくその砂を払う。
連撃の爪、と呼ばれる、この武器。
白を基調とした、どこか格式高い雰囲気を感じるこの爪。
なんとなく、みていると渡してくれたあの少女の面影が浮かぶ。
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「……うるしさん。爪、つかう?」
あれは確か、2週間ほど前のことであったとおもう。
いつも通りたまり場であるところの首都の一角に座っていると、不意に声をかけられた。
声の主はもはや言うまでもない。闇の目隠しで己の目を覆う、白髪の女ローグ。
「ん、まぁ使うけど……なんで?」
「これ。」
差し出されたのは、日の光の下、きらきらと輝く新品の爪。
白を基調にした、どこか格式高い雰囲気を感じるそれ。
「どうしたの?」
「氷の洞窟で狩ってたら、拾った。」
相変わらず言葉は片言に近い。
アマツの妖たちもそうだが、一般にこの国でモンスターと呼ばれるモノ達は、稀に武具や防具を形見のように落としていくことがある。それらは通常の店では扱っていないものがほとんどで、通常の店で扱っている商品であっても妖達の力を封じた護符を収める穴が多かったり、遺して行った妖達の力が宿っているのか、不思議な力が宿っている。こうした妖達の遺品はその性能や発見されづらさなどによって、想像を絶する値段で取引されている。
彼女が差し出すこの爪も、そういった妖の遺品であるらしい。
「私、装備できないし。他に装備できるの、うるしさんくらいだから」
片言ながら、静かな声がつむがれる。
「ん、そうか。ありがとう。もらうよ」
相手の顔が、柔らかく崩れる。
おそらく初めて。この少女の笑顔を見た。
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休憩がてら、追想にふけってしまったが。
そんなわけで、普段つかっているもの代わりに装備してみているわけだが。
この基色になっている白のせいだろうか、あの少女の面影が浮かぶ。
肉親の顔はもちろん、血縁の愛など知らない。
クウガ流に与する者全てが僕の家族であり、それに勝るものは無い。
そう信じてきたし、今もそれに変わりはない。
だけど。
僕の本来の髪の色、瞳の色と同じそれを持つ、あの少女だけは。
どうしても、他人とは思えない。
再生したのか、新たに地から生まれ出でたか。スリーパーが休む僕を認めて向かってくる。
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詩柳耶琴
性別:
非公開
自己紹介:
ラグナロクオンラインのアマツ萌え&自キャラによる人形遊びな実験的短編置き場
といいつつ、いろいろ詰め込んであります。
このページ内における「ラグナロクオンライン」から転載された全てのコンテンツの著作権につきましては、運営元であるガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社と開発元である株式会社Gravity並びに原作者であるリー・ミョンジン氏に帰属します。
© Gravity Co., Ltd. & LeeMyoungJin(studio DTDS) All rights reserved.
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なお、当ページに掲載しているコンテンツの再利用(再転載・配布など)は、禁止しています。
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