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絵とかなんとか色々置いておく場所です。
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怨霊と土地神。
決して相容れず、決して許されない

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お前をこの腕(かいな)に。

そう望むたびに

お前は、儂などそこにいないかのように、すり抜けていくんだ。



 世界を調整するための、眠りの呪い。
 
 この世界に存在せんとする全てを拒み、

 この世界全てを眠りにつかせる、神と呼ばれるモノが施す封印。

 普段は賑やかなこの社も、今はひっそりと静まり返って、濃密な闇だけが在る。

 呪いに抗っていた社の主も、ついに抗いきれなくなったようで

 先ほど一振りの刀を抱いて眠りについたばかりだ。


 まるで、かつて封じられた時のような、静寂しかない果てしなく続く闇の中。
 
 風一つ入らぬはずの地下に、ふわりと風が舞う。

「お休みのところ、失礼いたします」

 風とともに現れるは、かつて常に傍に置いた気配。

「まったく、神とやらの杜撰さにも呆れますね。
 こうも世界の調整の度に封印を破られては堪りませぬ」

 かつて憶えた静かな声が苦笑している。

 闇の中、神社の要柱に封を掛けなおすその姿は、かつてにも見た封じ舞。

「千也(せんや)」

「……未だ、その名でお呼びになられますか」

 闇の中、かつてと変わらない白い細面が笑っている。

「私はただの墓守でございますよ。太守」

 闇の中、音一つなく跪くその所作は、昔覚えたそのまま。

 頭を垂れた姿が、風に掻き消える。


 消えた先に手を伸ばしても、

 ただ、わずかに残った風が指先をさらっていく。

「……お前こそ、変わらんな。千也」

 静寂の戻った闇の中。

 無力に、鎧が鳴る音が響く。
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ラグナロクオンラインのアマツ萌え&自キャラによる人形遊びな実験的短編置き場

といいつつ、いろいろ詰め込んであります。

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