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絵とかなんとか色々置いておく場所です。
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友人のキャラクターを借りて、ちょいと捏造してみた。

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「……」

「……」

 もうどのくらい続くのだろう。

 プロンテラという街は、ところどころに木々が植えてある。
 もちろんアマツの桜並木よりは少ないが、それでも殺風景な街中にあっては憩いの場として十分に機能する。

 その木々のうちのひとつの根元が、わがギルド員が集まる場所、となっており、ここ数日の調査で疲れた体を休めようと、木陰に座ったところ。
 横に座る気配がした。
 白く長い髪をゆるく束ね、どういう機繰なのかぴくぴくと動く黒い猫の耳を頭にのせた少女。
 たしかローグといったか、どこか挑発的な赤を基調にした衣服をまとっている。
 ルーンミッツガルドでは、染色といって髪の色を自在に変える。
 僕も潜入中の変装として髪を黒く染めているが、彼女の白髪はそんなものではない。
 そして、僕を見つめて微動だにしない彼女の目は、僕と同じ赤。
 多分、僕と同じ白子。

「……僕に何か用?」

 意を決して話しかける。
 彼女は、僕を見つめたままだ。

「……」

「……」

 再び広がる沈黙。
 この沈黙が、妙に重い。

「……目。」

「ん?」

 ようやく相手が声を出してくれた。

「おんなじ。」

 言葉をつなげると、同じ目をしている、といいたいようだ。
 どうやら、相手も同じことを考えてたらしい。

「でも」

「でも?」

「うるしさんのほうがきれい。」

 相変わらず相手の猫耳はピョコピョコと動いている。
 相手の表情も、当初と変わらない無表情のままだ。

「華燐ちゃんの目も、同じでしょう?」
「うん。でも、わたし」

 相手の無表情が、少しだけ揺らぐ。

「この目、こわいの。」

「え、こわいって、自分の目が」

 頷きをひとつ。肯定。

「うるしさんの目は、こわくないけど」

 こちらの言いたいことを察したように、言葉をつむぐ。
 言いたいことを言い終わったのか、おもむろに立ち上がって雑踏の中にまぎれていく。
 闇の目隠しと呼ばれる、黒布を巻きながら歩く後姿を、ただ見送る。


 人とは違う、赤い目。
 狂気を固めた、その色。

 ……僕も、疲れているのかもしれない。
 頭を振って、白い髪がまぎれていった雑踏とは逆のほうに歩く。

 僕には、任務があるのだから。
 考えるのは、終わってからでいい。


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詩柳耶琴
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自己紹介:
ラグナロクオンラインのアマツ萌え&自キャラによる人形遊びな実験的短編置き場

といいつつ、いろいろ詰め込んであります。

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