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絵とかなんとか色々置いておく場所です。
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烈将の戦風景。

戦闘描写習作。

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 あちらこちらで鬨の声があがる。
 敵味方の入り乱れる陣に切り込む。
 部下に気を引かれた敵将の後ろに回りこんで、鎧兜に一撃づつ。
 気付いた相手がこちらに切りかかるが、もう遅い。
 既に防具はその役目を果たしていない。
 力を乗せた刃を振るえば、派手に血飛沫が上がる。

「おのれ、貴様!」

 脇から雑魚がうるさい。
 双方から竹槍が突き出される。が、話にならないほどに遅い。
 交差した槍に飛び乗って、首を二つまとめて刈り取る。

「御館ー!」

「気を散らすんじゃねえ! てめえのことに集中しろ!」

 部下に叱責を飛ばしながら頭を失って崩れ落ちる槍を持った胴を踏み台にして、更に陣の奥へ駆ける。

「うぉおおお!」

 後ろに気配。その場で飛び上がって、相手の後ろを取る。

「甘いわ!」

 更に後ろに気配。しかし、今度はすぐに気配がなくなる。

「主殿、油断召されませぬよう」

 戦場にそぐわない涼やかな声が一瞬聞こえた。
 振り返らずに、目の前の武将を一閃のうちに斬り伏せる。

「もう終わりか! まとめて相手してやる! かかってこいや!」

「天津の烈将だ!」

「奴の首を取れば、大金星だぞ!」

 叫んだ挑発に乗って、雑魚が十匹駆け込んでくる。
 突き出される刃や槍の間をすり抜けながら、急所を突いて駆け抜ける。
 戦場の風は、血の匂いに満ちている。
 その血の匂いを切り裂いて。
 新たな血の香を起こしながら駆け抜ける。
 敵陣の奥から、一際高い鬨の声があがった。誰かが敵の大将を討ち取ったらしい。
 終わった、か?
 そう思った一瞬、背後に気配を感じた。

「烈将の首 とったりー!」

 目線だけを背後に向ければ、黒装束が刃を振り上げている。

「甘ぇよ」

 相手に聞こえたか、はどうでもいい。
 おそらく、俺の姿が一瞬揺らめいて見えたはずだが、それもどうでもいいことだ。
 刃に魂を破壊する一撃を乗せて、相手に突き出す。
 音もなく、黒装束が崩れ落ちる。

「御館様ーっ! ご無事ですかー!!」

「おーう、てめえら ちゃんと生き残ったなー?」

 向こうの方から、部下達が駆け寄ってくる。
 全員傷だらけで、走ったら余計傷があくんじゃねえか、というほどだ。
 最後方に、柔らかく笑う正宗もいる。

「主殿、傷。」

「かすり傷だろ」

「かすり傷でどうしたらそんなに血が流れているのですか」

「気のせいだろ」

「御匙が苦手だからといって、そんな子供騙しにもならない言い訳をなさらないでくださいませ?」

「だって薬染みるだろ。自分でやるからいいんだよ」

「駄目です。きちんと御匙にかかっていただきます」

「え、ちょ、正宗っ!」

「御館様、覚悟をお決めなされ」

「金剛までっ!?」

 血の香は此処に置き去りにして、皆と言葉を交わしながら自陣に戻る。
 懐かしい記憶。
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ラグナロクオンラインのアマツ萌え&自キャラによる人形遊びな実験的短編置き場

といいつつ、いろいろ詰め込んであります。

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