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絵とかなんとか色々置いておく場所です。
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なんとなく浮かんだパパンと兄上(笑

一方この頃、主殿と正宗はプチラブラブ中です。

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 忘れそうになる。

 あの戦が、本当はただの夢だったのではないかと。
 そのたびに、思い出す。
 今でも身が震える、あの記憶。




「久宗」

「うん?」

「……俺達は、間違ってないよな?」

 吹きすさぶ風。丘の向こうには、人ならざる軍が控えている。
 彼奴らが発する瘴気のせいか、平野には毒々しい霧が満ちているのが見える。

「吉継は相変わらずだなあ」

 傍らで、豪快に笑う声がする。

「そうさな、俺達はお前とともに歩んできた」

 静かな声も笑っている。

「そして、これが最後だ。」

「……ああ」

 声が、張り詰める。

「そうだ。俺達は、お前を信じてきた。この地を魔性より解放せんとな」

 がしゃり。鎧が音を立てる。

「そうさ。これを最後にするために来た。そうだろう、吉継」

 刃を抜き放つ。

「いこう」

 がしゃり。がしゃり。金具がこすれあう音があちらこちらで聞こえる。

「……方々、参るぞ」

 毒々しい霧の中、高々と掲げられた一振りの刃が煌めく。

「異形の軍相手とて、怯むことはない!
 我らの前に立つものすべて斬り伏せよ! かの地を我らの手に!」

 鬨の声があがる。

「我らはかの地を解放せん!」


 懐かしい、記憶。

 あの時豪快に笑っていたあいつも
 静かに笑う、皆のまとめ役だったあいつも。
 皆、黒い刃に飲まれていってしまった。

 杯を傾ければ、酒が喉に染みる。

「父上、お酒はほどほどにしませんと」

 襖の向こう、眠っているはずの時宗の静かな声がする。

「起こしてしもうたか?」

「いいえ。どうにも眠れませんでしたので、月でも見ようかと」

 空を見上げれば、満天の星空に浮かぶ満月。

「今宵は満月ですね」

「ああ」

 かつての同胞達は、あの月の向こうに行ったのだろうか。

「今宵は良い月よな」

「ええ」


 月に杯を捧げて、もう一口喉に送る。
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ラグナロクオンラインのアマツ萌え&自キャラによる人形遊びな実験的短編置き場

といいつつ、いろいろ詰め込んであります。

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