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絵とかなんとか色々置いておく場所です。
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 この社が何のためにあるのか、もう誰も知らないけれど。
 この社は、地上と地下を結ぶ、結界の社。
 悪を被って眠った将の、鎮魂のための社として建てられた。
 周囲を水で囲ったのは、清めのため。
 鳥居が連なるのは、結界の証。
 河童なんて妖怪は、結界を嫌ってこの沼に滅多に近づかなかったのに。
 どうやらお城のほうも騒がしくなっている。

「タケフミ、君?」

 半ば無理やり引きこんだ巫女装束の幼馴染みが、心配そうにこちらを見ている。

「大丈夫。ここにいれば問題ないよ」

「う、うん……。でも、その……この衣裳、着る必要あるの?」

「そこは僕の趣味」

 にっこりと笑って、言う。


 今でも、覚えている。
 もう、僕以外に覚えている人間なんて、いやしないんだけれど。
 どうやら、“彼”すらも起こすつもりらしい。
 この天津に彼の人ありと謳われた、お人よしの烈将。
 この名を正しく知る人物は、僕だけ。


「さーて、忙しくなるよ~。ほら、立って立って。笑顔笑顔」

「ううう、いじわる」

「意地悪じゃないよー? 外から来る人にとって巫女さんというのは貴重なのだからね。
 ほら笑って笑って~」

 にこにこと笑顔を作って。狐の仮面を斜めにかける。

「ねえ、なんで狐さんのお面なの?」

「いやー? 丁度手近にあったから」

 輪廻転生の中ですっかり忘れてしまった幼馴染みには、軽く笑ってみせる。

 この狐面はね。挑戦状だよ。
 妖怪達に、対するね。
 随分心配性になった彼女に心配をかけぬよう。
 口には出さず、笑顔を作る。



 陰陽方なんて呼ばれたのは、記憶が掠れるほど昔の話だけれど。
 今も貴方との約束は憶えていますよ。猛将殿。
 もう、昔のような大掛かりな秘術は扱えなくなってしまったけれど。
 “彼”と“姫”の安息は、誰にも妨げさせやしませぬ。


 そう。
 我がチカラの全てにかけて。

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詩柳耶琴
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非公開
自己紹介:
ラグナロクオンラインのアマツ萌え&自キャラによる人形遊びな実験的短編置き場

といいつつ、いろいろ詰め込んであります。

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