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絵とかなんとか色々置いておく場所です。
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ベルディア  と名乗って

世界をあるいてみたけれど


私は、変われただろうか。

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 あたしが最初に覚えたのは、つまらない世界だった。

 議員であることを鼻にかけるだけの父親と、父親に付き従うだけの母親。
 父親はかつてはそこそこの実力のあるセージで、母親も優秀なプリーストだったらしいけど
 正直そう見えたことなんてない。

 ううん、そんなの嘘だ。

 パパは、いつでも「あの大統領はそのうち失脚する」と憂いていた。
 ママは、「私も、力になれたらいいのに」と、遠くに見える大統領府を見ていた。
 家には時間を問わず怖い人たちがやってきて
 その度に、私たち姉弟は図書館にいかされた。
 お姉ちゃん達が婚約をけるために出て行ったとき、パパもママも安心した顔をしていた。
 弟がクルセイダーになる、と、家を出るとき、ママは精一杯の祝福をかけて送り出していた。
 あたしに宛がわれるはずだったのは、ルーンミッツガルド王室と縁浅くない人。
 娘を共和国外の人間と結婚させようとしたのは。パパの、精一杯の道化のフリ。

 目の前には、腹心と信じていた側近に裏切られ、言葉を失う大統領。
 そういえば、この人の就任のときは、私はジュノーを離れていたんだったな。
 きっとこの人はこれから周囲の全てが敵になるのだろう。
 そういえば、受付をしていた秘書さんも、どこか雰囲気がおかしかったような気がする。
 呆然としたままの大統領に一応目礼をして執務室を出る。
 受付にはいつもどおり秘書さんがたっていた。
 一瞬目が合って、申し訳なさそうに一礼してくれた。

 空の上に浮かぶ街。あたしの、生まれた場所。
 高所特有の風が吹いている。
 手の中で蝶の羽がもろく崩れて、真っ白な街が見える。
 ガルシュタインさんに話をしに行こう。少しつらい話になるかもしれないが。

 あたしが、魔術師になることを決めたのは、
 思い出したくない過去を、焼き尽くしたかったからかもしれない。
 生気のしない空気をマントにはらませて、歩く。

 現在をつかさどるノルニル ヴェルダンディ。
 あたしは、あなたのように、現在(いま)を紡いでいきたいのです。

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詩柳耶琴
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非公開
自己紹介:
ラグナロクオンラインのアマツ萌え&自キャラによる人形遊びな実験的短編置き場

といいつつ、いろいろ詰め込んであります。

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