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絵とかなんとか色々置いておく場所です。
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正宗さんのちょっとした苦悩。
そして大分イケメン(笑)な主殿。

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 元より。叶わぬ願いだったのかもしれない。


 私は、やはり女らしい。
 言いづらそうな父上とは対照に、母上が嬉々として話をしていた。
 家老の甥との縁談。
 私は、将になったはずだったのに。
 母上はやはり、私に女として生きてもらいたいらしい。

「ねえ、雅。時宗の代わりなんて片意地張らなくてもいいのよ。
 武芸だって、戦乱は終わったのだもの。女に戻ってもいいんじゃないかしら」

 母上には、主殿のことは言っていない。
 返ってくる言葉など、分かりきっているから。

「……私は、正宗として生涯を終えると決めました。
 申し訳ありませぬが、お断りください」

 ああ、母上にこんな声をかけたくはないのに。
 部屋を辞して、夜空を見上げる。

****************************************************************************

「……入って来い。断りはいらねえ」

 目線は知恵方に借りた本から動かさず、障子の向こうに声をかける。
 行灯の火を消してやる。
 そろりと障子が開いて、音もなく閉まる。
 背中にくっつく重み。

「どーしたよ、珍しいな」

「……ご迷惑、ですか?」

「いや、そうはいわねえけどな」

 珍しく弱った相手の声。するり、と、重みが離れる。
 本を閉じて。後ろに身体を向ける。
 まるでしょぼくれる犬のようだ。

「何があったかはきかねえけどな」

 そっと、相手の頭を抱きしめる。

「とりあえず泣いとけ。誰もお前の泣き顔みやしねえし、泣き声も聞かないから」

 耳に痛い沈黙の後に、腕の中の相手が震える。
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ラグナロクオンラインのアマツ萌え&自キャラによる人形遊びな実験的短編置き場

といいつつ、いろいろ詰め込んであります。

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