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絵とかなんとか色々置いておく場所です。
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ふたりへのお題ったー http://shindanmaker.com/122300

螢へのお題:あの頃に戻れたら/「ごめんね、ごめん。」/それは仕方ないこと

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考える事はある。
もしも、私達がスラムで生まれ育たなかったなら。
もしも、冒険者にならない道があったなら。


こどものころに話した、他愛のないお話。

もう、戻れはしないけれど。

爪を構えて、貴方が私の名前を呼ぶ。

杖に増幅された“祈り”が、貴方の周囲で舞う。


*********************************************************************

きっと、貴方は泣くでしょう。

きっと、冷たくなっていても私を抱きしめるでしょう

赤く染まる視界のなか うっすらと考える。

銀色の髪のなかの、私と同じ青い瞳。

オペラマスクの奥の、私しか知らない黒い瞳。

ふたつとも、決して濡らさないと誓ったのに。


どんな言葉も、届かない。

どんな言葉を尽くしても、

ああ、意識が消えていく。

ワタシが消えていく、というのは、こんな感覚なのですね。

神様。


サイゴに、貴方にこの指を立てて見せ付けましょうか。

*********************************************************************

 聖堂の最奥。

 限られた者しか立ち入りを許されない、秘密の間。

 夜の静寂を壊さないよう、するりとその部屋に入る。

「オーディン様へ、告解を」

「申しなさい」

「我 この胸に懺悔を持ちて、セフィロトの加護を願う。
 かくて遠き祝宴へ列せられる日を待たん」

 すらりと謳いあげるのは、鍵言葉。

「懺悔を」

「ご依頼の件については報告書にて奏上させて頂きました通り。
 彼の国は、自らの力で正しき姿になおって行くでしょう」

「そのようですね。それが我が国にどのような影響があるかはまた別の話ですが」

 普段から疑り深い神父の声と、それを嗜める柔らかくも威厳ある声が闇から流れてくる。

「ご苦労様でした。……もう少しだけ、お時間をいただけますか?」

 柔らかな声が流れて、闇の奥で気配が一つ消える。

「人払いをなさってまでとは…どのような御用でしょう?」

「貴女も闇に近く聡いお方、解っていらっしゃるのでしょう?」

 苦笑混じりに、闇の中で肩をすくめて見せる。

「密裏とはいえ、貴女もアークビショップまで上り詰められた。
 もう、いいのではないかと、そう思うのですよ。シスター螢」

「そのお言葉は、教会勤務のアークビショップの少なさへのお嘆きに聞こえますわ」

 赤く染められたアークビショップの制服をつまみあげて、できるだけ優雅に、いつもと変わらないように。

「あの時にこの道を選ぶと決めたのですから」

 暗闇のなか、嘆息が聞こえた気がした。
 そう。私は、影で動く事を選んだ。彼と同じ、闇の道を。

「悔いなど、私には一片も無いのですよ。バムプ神父様」


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ラグナロクオンラインのアマツ萌え&自キャラによる人形遊びな実験的短編置き場

といいつつ、いろいろ詰め込んであります。

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