絵とかなんとか色々置いておく場所です。
考える事はある。
もしも、私達がスラムで生まれ育たなかったなら。
もしも、冒険者にならない道があったなら。
こどものころに話した、他愛のないお話。
もう、戻れはしないけれど。
爪を構えて、貴方が私の名前を呼ぶ。
杖に増幅された“祈り”が、貴方の周囲で舞う。
*********************************************************************
きっと、貴方は泣くでしょう。
きっと、冷たくなっていても私を抱きしめるでしょう
赤く染まる視界のなか うっすらと考える。
銀色の髪のなかの、私と同じ青い瞳。
オペラマスクの奥の、私しか知らない黒い瞳。
ふたつとも、決して濡らさないと誓ったのに。
どんな言葉も、届かない。
どんな言葉を尽くしても、
ああ、意識が消えていく。
ワタシが消えていく、というのは、こんな感覚なのですね。
神様。
サイゴに、貴方にこの指を立てて見せ付けましょうか。
*********************************************************************
聖堂の最奥。
限られた者しか立ち入りを許されない、秘密の間。
夜の静寂を壊さないよう、するりとその部屋に入る。
「オーディン様へ、告解を」
「申しなさい」
「我 この胸に懺悔を持ちて、セフィロトの加護を願う。
かくて遠き祝宴へ列せられる日を待たん」
すらりと謳いあげるのは、鍵言葉。
「懺悔を」
「ご依頼の件については報告書にて奏上させて頂きました通り。
彼の国は、自らの力で正しき姿になおって行くでしょう」
「そのようですね。それが我が国にどのような影響があるかはまた別の話ですが」
普段から疑り深い神父の声と、それを嗜める柔らかくも威厳ある声が闇から流れてくる。
「ご苦労様でした。……もう少しだけ、お時間をいただけますか?」
柔らかな声が流れて、闇の奥で気配が一つ消える。
「人払いをなさってまでとは…どのような御用でしょう?」
「貴女も闇に近く聡いお方、解っていらっしゃるのでしょう?」
苦笑混じりに、闇の中で肩をすくめて見せる。
「密裏とはいえ、貴女もアークビショップまで上り詰められた。
もう、いいのではないかと、そう思うのですよ。シスター螢」
「そのお言葉は、教会勤務のアークビショップの少なさへのお嘆きに聞こえますわ」
赤く染められたアークビショップの制服をつまみあげて、できるだけ優雅に、いつもと変わらないように。
「あの時にこの道を選ぶと決めたのですから」
暗闇のなか、嘆息が聞こえた気がした。
そう。私は、影で動く事を選んだ。彼と同じ、闇の道を。
「悔いなど、私には一片も無いのですよ。バムプ神父様」
時系列いんでっくすに戻る
もしも、私達がスラムで生まれ育たなかったなら。
もしも、冒険者にならない道があったなら。
こどものころに話した、他愛のないお話。
もう、戻れはしないけれど。
爪を構えて、貴方が私の名前を呼ぶ。
杖に増幅された“祈り”が、貴方の周囲で舞う。
*********************************************************************
きっと、貴方は泣くでしょう。
きっと、冷たくなっていても私を抱きしめるでしょう
赤く染まる視界のなか うっすらと考える。
銀色の髪のなかの、私と同じ青い瞳。
オペラマスクの奥の、私しか知らない黒い瞳。
ふたつとも、決して濡らさないと誓ったのに。
どんな言葉も、届かない。
どんな言葉を尽くしても、
ああ、意識が消えていく。
ワタシが消えていく、というのは、こんな感覚なのですね。
神様。
サイゴに、貴方にこの指を立てて見せ付けましょうか。
*********************************************************************
聖堂の最奥。
限られた者しか立ち入りを許されない、秘密の間。
夜の静寂を壊さないよう、するりとその部屋に入る。
「オーディン様へ、告解を」
「申しなさい」
「我 この胸に懺悔を持ちて、セフィロトの加護を願う。
かくて遠き祝宴へ列せられる日を待たん」
すらりと謳いあげるのは、鍵言葉。
「懺悔を」
「ご依頼の件については報告書にて奏上させて頂きました通り。
彼の国は、自らの力で正しき姿になおって行くでしょう」
「そのようですね。それが我が国にどのような影響があるかはまた別の話ですが」
普段から疑り深い神父の声と、それを嗜める柔らかくも威厳ある声が闇から流れてくる。
「ご苦労様でした。……もう少しだけ、お時間をいただけますか?」
柔らかな声が流れて、闇の奥で気配が一つ消える。
「人払いをなさってまでとは…どのような御用でしょう?」
「貴女も闇に近く聡いお方、解っていらっしゃるのでしょう?」
苦笑混じりに、闇の中で肩をすくめて見せる。
「密裏とはいえ、貴女もアークビショップまで上り詰められた。
もう、いいのではないかと、そう思うのですよ。シスター螢」
「そのお言葉は、教会勤務のアークビショップの少なさへのお嘆きに聞こえますわ」
赤く染められたアークビショップの制服をつまみあげて、できるだけ優雅に、いつもと変わらないように。
「あの時にこの道を選ぶと決めたのですから」
暗闇のなか、嘆息が聞こえた気がした。
そう。私は、影で動く事を選んだ。彼と同じ、闇の道を。
「悔いなど、私には一片も無いのですよ。バムプ神父様」
時系列いんでっくすに戻る
PR
ほねほねくろっく
ブログ内検索
プロフィール
HN:
詩柳耶琴
性別:
非公開
自己紹介:
ラグナロクオンラインのアマツ萌え&自キャラによる人形遊びな実験的短編置き場
といいつつ、いろいろ詰め込んであります。
このページ内における「ラグナロクオンライン」から転載された全てのコンテンツの著作権につきましては、運営元であるガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社と開発元である株式会社Gravity並びに原作者であるリー・ミョンジン氏に帰属します。
© Gravity Co., Ltd. & LeeMyoungJin(studio DTDS) All rights reserved.
© GungHo Online Entertainment, Inc. All Rights Reserved.
なお、当ページに掲載しているコンテンツの再利用(再転載・配布など)は、禁止しています。
といいつつ、いろいろ詰め込んであります。
このページ内における「ラグナロクオンライン」から転載された全てのコンテンツの著作権につきましては、運営元であるガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社と開発元である株式会社Gravity並びに原作者であるリー・ミョンジン氏に帰属します。
© Gravity Co., Ltd. & LeeMyoungJin(studio DTDS) All rights reserved.
© GungHo Online Entertainment, Inc. All Rights Reserved.
なお、当ページに掲載しているコンテンツの再利用(再転載・配布など)は、禁止しています。
カテゴリー