絵とかなんとか色々置いておく場所です。
初陣の気の高揚が嘘のようだ。
恐ろしい妖の、瘴気と咆哮。
自分の腕はこんなにも細かったか。この手の刃は、まるで木の枝のようだ。
咆哮が迫ってくる。刃を構えるが、打ちつけてくる銅棍の圧力に折れそうになる。
しゃらり。
不意に、音が聞こえた。
聞こえないはずの音。聞こえるわけがない。
鬨の声が上がる戦場。こすれる金属と言えば、刃と防具の止め具ぐらいなもの。
少なくとも、あれほどに涼やかに、あれほどに軽やかに、音がする金属など、ありえない。
「余所見とは、余裕ですね」
ふんわりとした声。
しゃらり。
ああ、またあの音。金剛杖のそれとは違う。
いうなれば、金属が金属の上を軽やかに撫でているような。
「そんな様では、その命 幾つあっても足りませんよ?」
目の前には、銅と交錯する細い刃。
銅棍の主である妖が、醜い顔をさらにしかめているように見える。
細い刃は、僕のそれではない。
「下がりなされ」
顔の横で甘く声がする。
妖の顔が一瞬で切り刻まれて、紫の霧が目の前に現れる。
その霧をさらに細い刃が一払いすると、霧の向こうにいた妖が三匹まとめて斬られていた。
「おい、大丈夫か!」
体が軽い。どうやら、同軍の兵が抱えてくれているようだ。
「危なかったな、智将殿がお助けくださったのだぞ。あとで礼を尽くしておけ」
「ち、しょう・・・?」
顔を上げれば、妖を切り伏せる細い刃が閃くのが見えた。
細い刃は何事もなかったように鈍く光を放っているのに、
その地に盛られた山々が、それを否定している。
しゃら……
細い刃の主が露を払うように刃を一振りすると、あの音が静かに響く。
紫の霧を一閃で切り裂いて、あの音とともに駆ける後姿。
「智将…殿……」
その後姿は、今でも鮮明に思い出せる。
それは何よりもきれいで、
それは何よりも、おそろしかった。
恐ろしい妖の、瘴気と咆哮。
自分の腕はこんなにも細かったか。この手の刃は、まるで木の枝のようだ。
咆哮が迫ってくる。刃を構えるが、打ちつけてくる銅棍の圧力に折れそうになる。
しゃらり。
不意に、音が聞こえた。
聞こえないはずの音。聞こえるわけがない。
鬨の声が上がる戦場。こすれる金属と言えば、刃と防具の止め具ぐらいなもの。
少なくとも、あれほどに涼やかに、あれほどに軽やかに、音がする金属など、ありえない。
「余所見とは、余裕ですね」
ふんわりとした声。
しゃらり。
ああ、またあの音。金剛杖のそれとは違う。
いうなれば、金属が金属の上を軽やかに撫でているような。
「そんな様では、その命 幾つあっても足りませんよ?」
目の前には、銅と交錯する細い刃。
銅棍の主である妖が、醜い顔をさらにしかめているように見える。
細い刃は、僕のそれではない。
「下がりなされ」
顔の横で甘く声がする。
妖の顔が一瞬で切り刻まれて、紫の霧が目の前に現れる。
その霧をさらに細い刃が一払いすると、霧の向こうにいた妖が三匹まとめて斬られていた。
「おい、大丈夫か!」
体が軽い。どうやら、同軍の兵が抱えてくれているようだ。
「危なかったな、智将殿がお助けくださったのだぞ。あとで礼を尽くしておけ」
「ち、しょう・・・?」
顔を上げれば、妖を切り伏せる細い刃が閃くのが見えた。
細い刃は何事もなかったように鈍く光を放っているのに、
その地に盛られた山々が、それを否定している。
しゃら……
細い刃の主が露を払うように刃を一振りすると、あの音が静かに響く。
紫の霧を一閃で切り裂いて、あの音とともに駆ける後姿。
「智将…殿……」
その後姿は、今でも鮮明に思い出せる。
それは何よりもきれいで、
それは何よりも、おそろしかった。
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詩柳耶琴
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非公開
自己紹介:
ラグナロクオンラインのアマツ萌え&自キャラによる人形遊びな実験的短編置き場
といいつつ、いろいろ詰め込んであります。
このページ内における「ラグナロクオンライン」から転載された全てのコンテンツの著作権につきましては、運営元であるガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社と開発元である株式会社Gravity並びに原作者であるリー・ミョンジン氏に帰属します。
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なお、当ページに掲載しているコンテンツの再利用(再転載・配布など)は、禁止しています。
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