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絵とかなんとか色々置いておく場所です。
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まとわりついているのは

過去か 今か。

それとも。



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 暗い部屋の中。
 執務用の机に向かうように腰掛けた瞬間。

「なんだよ、いきなり」

 窓から入る太陽の光を跳ね返す、爪。
 かつては何度も何度も振るったそれが、首元に突きつけられている。

「さぁね、やりたくなっただけよ」

 爪の先で、絶対零度と評される笑顔が答える。
 爪は未だ、俺の喉元にある。

「ギルドの邪魔になった、か?」

「いや。むしろ重宝がられているよ」

 くすくす。氷が溶けるような、密やかな笑い方。

「そもそも、風魔だった頃にやるべきだったんだろうね……」

 笑顔が、少しだけ変わった気がした。

「今、楽にしてやる」

 絶対零度の声が聞こえた。
 けれど。

「お前がそのつもりなら、俺はもうココにはいないよな」

 肩に掛けたマントを一撫でして。
 絶対零度に答えるは、相手の背後。

「昔っから……本当に変わらないねえ」

「これが売りだからな」

 密やかな苦笑が二つ、暗い部屋に響く。

「お邪魔した。またね」

 気配が消えて、部屋の照明がほんのりと灯る。

「こっとやーん、用事おわったー?」

 計ったように、ノックもなく入ってくるのは、アークビショップの衣服に身を包んだ腐れ縁の緑髪。

「ちょうど終わったところだ。あぁ、忘れないうちにコレ返しとく」

 肩に掛けたマントを、無造作に放る。
 まるで魔法。適当に投げたはずのマントは、相手が差し出した手に軽い衣擦れの音と共におさまる。

「まいど。便利でしょ、フリルドラカード」

「元々自力で習得してた身としては複雑だけどな」

 緑色が満足そうにマントを畳んでいるのを見ながら、ぼんやりと椅子に腰掛ける。

「お疲れー?」

「ん」

 緑色が、いつの間にか執務机越しに顔を覗き込んでいる。

「そんなんじゃ、俺でもその首とれそうだね?」

「はっ……誰がとらせるか」

 愉快そうに、道化師の喉が鳴っている。

「やっぱり湖斗夜はそうじゃなきゃ」

 道化師の顔をした死神の声が、響く。

「戻れとは言わないけど……気は抜いちゃダメだよ」

「分かってる」

 口角が上がっているのが、自分でも分かる。



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不意にTLで見た「今楽にしてやる」で、ぽむっと浮かんでしまった(´・ω・`)
緑が黒い黒いwww

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詩柳耶琴
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ラグナロクオンラインのアマツ萌え&自キャラによる人形遊びな実験的短編置き場

といいつつ、いろいろ詰め込んであります。

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