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絵とかなんとか色々置いておく場所です。
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一夜だけの復活。

倉庫を開くと、なにやら見慣れない荷物が。

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 ハロウィンの大魔術。

 おそらく後世にはそう語られる、世界を統制するもの達の気まぐれ。

「これ着るのも久しぶりだなー」

 俗に“中の人の都合”と呼ばれるやつで、しばらく惰眠を貪っていた俺が、再びハイプリーストとしてアカデミーに降り立ったのは、つい先ほどの事。

 いや、正確には臨時広場に降りたったのだが、そこで知り合いに声をかけてしまったのが運のつき、狩の相手をさせられることになったと言うわけだ。

「さて、装備なにがあったっけなぁ」

 何しろ、この程はハイウィザードになった怜の友達に貸し出してしまってる。そして碧もいない以上、倉庫にあるものでそれっぽい装備にするしかない。

 カプラサービスを請け負うボックスに話しかけ、中身を確認する。

 とりあえずその場しのぎ程度にはなる防具を引き出し、ついで魔力の対価である青い魔石を確認する。

 リストをみてみると、望む量がきちんと収まっていた。これだけあれば十分、と引き出そうとしたところ。

 青い魔石の次にリストに記されている品目がある。

「なんだ、これ……」

 元々入っていた花束とは別枠で、ひっそりと置かれている事を示されている花束。

 興味を惹かれて、魔石と一緒に取り出してみる。

 一見普通の花束と変わらないが、よく見れば花に隠れて名前が書かれたカードが入っている。
 ご丁寧に透かし彫りの手の込んだ作りだ。

「だーれのいたずらだ、これは。」

 なんて言ったところで、この倉庫は俺しか扱えないのだから、当然俺が入れたはずなのだけど。花束なんて、受け取った覚えはない。

 光に透かして、カードに刻まれた名前を見てみる。

 折角なのだから、贈り主を確かめようと思った。

 薄いその紙は、アカデミーに降るステンドグラス越しの柔らかい光に映えて、淡く輝いている。

 淡く輝くその中で、その名前に俺は硬直した。

『おーい、なんかあったかー?』

『い、いや。なんでもない。悪いけどポータルねえし、先に行っててくれ』

 頭の中に響く念話に、ちゃんと答えられたか、自信がない。

 光り輝く紙に刻まれた、忘れるはずもない名前。

「悪い冗談、なんかじゃねえ、よな?」

 螢 と刻まれた、その紙。

 淡い輝きの中に、一瞬記憶の奥底に眠らせた笑顔がフラッシュバックした。

 存在しないモノの名前なら、こんなに鮮明には写らない筈。

 だけど、螢は、あの時……



 そっと、倉庫に花束を戻した。

 ああ、なんでこんなときに、あの感覚がよみがえる。


 頭を振って、魔石の数を確認し、崩壊した故郷へと足を向ける。






『                 』

 スラムだった場所を通る一瞬、声が聞こえた気がした。


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ハロウィンの無料解放にあわせて時間限定で開催されてたアレ。
ちなみに現物は入手してません。ことやん名義ででも一個つくっておくんだった…(´・ω・`)

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ラグナロクオンラインのアマツ萌え&自キャラによる人形遊びな実験的短編置き場

といいつつ、いろいろ詰め込んであります。

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