絵とかなんとか色々置いておく場所です。
今でも、忘れちゃいねえよ。
師匠の言葉は、何一つ。
「良いか。忍びたるもの、情を持ってはならん
己の全てを殺し、影に徹し、与えられた任務を遂行する」
「ただ一振りの刃であれ。
常に磨き上げ、いついかなるときに使われてもよいように」
まだガキだった俺には、師匠の言葉がすべてだった。
今俺がいるのは、燃え上がる市井。
火を射掛けたのは、古狸の手の者だ。
「そんな見え透いた罠にかかりにいくとは。お前は忍びを何たると思っておる」
いつもの低い声が聞こえた気がする。
あーもう、分かってるよ。
これが罠だってくらい。
でも、どうしても。
二度と、目の前で大事な人を失いたかねえんだよ。
女々しいなんて言わないでくれよな。
あの時から、一瞬だって脳裏から消えないんだよ。
俺とクウガを谷底に落として、無数の手裏剣を打ち込まれて矢襖になっていくあんたの姿が。
あの時から。
俺は誰より強くなることを望んだんだ。
なあ、師匠。
大事なものを守るってのも、忍びの矜持だって。
そう教えてくれたよな。
炎の街中を駆ける。
体中に矢が突き立ち、切り傷も十を下らないけれど。
俺は、守りたいんだ。
たとえ俺がその為に矢襖にされても。
俺は、どんなに血まみれになっても。
その為に、俺は走る。
一瞬だって脳裏から消えない。
あいつと俺を谷底に落として、無数の手裏剣を打ち込まれて矢襖になっていく貴方の姿。
貴方を、守れなかった弱い自分。
あの時から、あいつは忍びとしてではなく武将として修練を積んだ。
それまでは無口で無愛想だったのに、ヘラヘラ笑っておちゃらけるようになった。
武将となったあいつは、誰よりも先に戦陣を駆け抜けていく。
自分以外を傷付けないために。
触れるもの全てを斬り伏せながら戦場を駆けるその姿から【烈将】とあだ名されるまで時間はかからなかった。
いつだってあいつは、自分のことは後回しで。
いつだってあいつは、自分のことを人に見せなくて。
昔から全然かわっちゃいないんだ。
俺は、影に徹することを選んだ。
情を殺して、与えられた任務を遂行する。
それでいいと思った。
市中から火が上がる。
女子供が逃げ惑い、あちこちで声が上がる。
あの馬鹿が……。
ぎり、と、膝の上の拳が悲鳴を上げる。
「クウガ殿」
「分かっている、手は出さん」
「ほほ、それで良いのですよ」
狸が気配を消していく。
俺は、弱いだけなのかもしれない。
師匠。貴方が、もし生きていたならば。
あんな狸を、のさばらせたりは、しなかったでしょうか……
師匠の言葉は、何一つ。
「良いか。忍びたるもの、情を持ってはならん
己の全てを殺し、影に徹し、与えられた任務を遂行する」
「ただ一振りの刃であれ。
常に磨き上げ、いついかなるときに使われてもよいように」
まだガキだった俺には、師匠の言葉がすべてだった。
今俺がいるのは、燃え上がる市井。
火を射掛けたのは、古狸の手の者だ。
「そんな見え透いた罠にかかりにいくとは。お前は忍びを何たると思っておる」
いつもの低い声が聞こえた気がする。
あーもう、分かってるよ。
これが罠だってくらい。
でも、どうしても。
二度と、目の前で大事な人を失いたかねえんだよ。
女々しいなんて言わないでくれよな。
あの時から、一瞬だって脳裏から消えないんだよ。
俺とクウガを谷底に落として、無数の手裏剣を打ち込まれて矢襖になっていくあんたの姿が。
あの時から。
俺は誰より強くなることを望んだんだ。
なあ、師匠。
大事なものを守るってのも、忍びの矜持だって。
そう教えてくれたよな。
炎の街中を駆ける。
体中に矢が突き立ち、切り傷も十を下らないけれど。
俺は、守りたいんだ。
たとえ俺がその為に矢襖にされても。
俺は、どんなに血まみれになっても。
その為に、俺は走る。
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一瞬だって脳裏から消えない。
あいつと俺を谷底に落として、無数の手裏剣を打ち込まれて矢襖になっていく貴方の姿。
貴方を、守れなかった弱い自分。
あの時から、あいつは忍びとしてではなく武将として修練を積んだ。
それまでは無口で無愛想だったのに、ヘラヘラ笑っておちゃらけるようになった。
武将となったあいつは、誰よりも先に戦陣を駆け抜けていく。
自分以外を傷付けないために。
触れるもの全てを斬り伏せながら戦場を駆けるその姿から【烈将】とあだ名されるまで時間はかからなかった。
いつだってあいつは、自分のことは後回しで。
いつだってあいつは、自分のことを人に見せなくて。
昔から全然かわっちゃいないんだ。
俺は、影に徹することを選んだ。
情を殺して、与えられた任務を遂行する。
それでいいと思った。
市中から火が上がる。
女子供が逃げ惑い、あちこちで声が上がる。
あの馬鹿が……。
ぎり、と、膝の上の拳が悲鳴を上げる。
「クウガ殿」
「分かっている、手は出さん」
「ほほ、それで良いのですよ」
狸が気配を消していく。
俺は、弱いだけなのかもしれない。
師匠。貴方が、もし生きていたならば。
あんな狸を、のさばらせたりは、しなかったでしょうか……
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詩柳耶琴
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非公開
自己紹介:
ラグナロクオンラインのアマツ萌え&自キャラによる人形遊びな実験的短編置き場
といいつつ、いろいろ詰め込んであります。
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なお、当ページに掲載しているコンテンツの再利用(再転載・配布など)は、禁止しています。
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