設定：知る人ぞ知る（笑）ROSSの２年位前の話。

課題：お題を文中に入れない。雰囲気勝負


結論：ﾊﾞﾙﾀﾞ騎士子　動かしやすい（´・ω・｀）

お題配布元様：Cosmos

[0回]

ふと振り返る。


喉まで出かかった名を、そっと飲み込む。

そこにあったはずの温もりが、今はない。



出かけるときに、未だに部屋をのぞいてしまう。

聖書や難しそうな本、コレクションしていたぬいぐるみ、

武器やら手入れ道具や術の対価として使う魔石や聖水で散乱していた

部屋は、いまやただのがらんどう。


声になりそうになるたびに押し込める言葉。


わざと勢いをつけて、「いってきます」と空虚な部屋に叫ぶ。

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騎士になっても、相変わらず身の軽さだけが取り得の私。

ローグをやめたときに金色に戻った髪を、今度は真っ黒に染めた。

たまり場のみんなも、スラムのみんなも、

金髪のあたしを見ると、なにか遠いものを見る目をするから。

神速を乗せて振り下ろすアースクレイモアが、ヒルウィンドを切り裂いた。


時々通りすがりの支援プリーストから、簡単な祝福を受ける。

神速の効果がかかっている間はあんまり声がよく聞こえなくて

思わず、祝福をかけた相手を探す。

捜し当てた先に、陽だまりのような金髪はない。






金色の聖女。

黒き疾風の鞘。

あたしの自慢だった、

あたしの、越えられない壁だった、

双子の姉。



もう五年前の話。


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