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絵とかなんとか色々置いておく場所です。
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地上は祭りの準備に沸く。

それを地下より見上げる者達

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 昏い社の天井。
 かつて彼らが封ぜられた当時は見えたその先を、猛き将と呼ばれた男が笑みをたたえて見上げている。

『何が可笑しい? 烈将』

「おかしいことはないさ」

 将の笑顔も、視線の先も変わらない。

「ただ、上が楽しそうだな、と思っているだけだよ」

 柔らかく、心底から喜びに満ちた声が闇に響く。

『戻りたいか?』

「うんにゃ。皆で遊べたらいいとは思うがな。
 俺らが出てったら大騒ぎになるだろ」

 紡がれるのは、いつも通りの事実を語る飄々とした声。

「あんたは、ああいう騒ぎは嫌いか?」

『儂のいた世は、暢気に祭りを開けるような時勢ではなかったからな』

「そっか」

 応える声は短く。将は再び天井を見上げる。

 この将は民の幸せを何よりも願った、と、将に従う者共に聞いた。
 妖に挑んだのも、あらぬ罪で地下に封じられた理由も、すべては仲間のため、民のため。
 罪を着せられ、永劫地下に封込められた今なお、“人々が楽しそうだ”という理由でこの将は我が事のように笑う。

『烈将』

「なんだ?」

天井を見上げた姿勢のまま、笑みに垂れた眼の中の赤い瞳だけがこちらを向く。

『お前は、やはり強いのだな』

闇の中へ進む儂の鎧が、重く闇に響く。
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ラグナロクオンラインのアマツ萌え&自キャラによる人形遊びな実験的短編置き場

といいつつ、いろいろ詰め込んであります。

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