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絵とかなんとか色々置いておく場所です。
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「ゆび、わ?」

「ええ、海の向こうでは能力を上げる魔具の一種だそうです。
 婚礼の誓いとして身にすることもあるそうですが」



 立ち塞がる冒険者の、その指に光っていたそれ。

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 何度聞いても不愉快なだけの、こちらとは全く違う呪言。
 それに応える杖を携える指に光っていたそれの輝きを思い出す。

 こちらで婚姻の誓いといえば、歯を染め、女なら衣類を少女のものから女房のものへ変える。
 飾り物を送るなどはそれ以前の話であり、そもそも指を飾るという習慣は天津にはない。

「御館様? 何かお気がかりがある様子ですな」

「別に。そんなもんねえよ」

 天狗になった金剛が差し出す杯を奪い取って、一息に中身を干す。

 眠りに落ちる前。正宗と話しているらしい陰陽方の声を思い出す。
 婚姻を示すための装飾というものは、天津には見られない。

 腕に抱えた刀を見やる。
 武将として、そもそも装飾などつけぬ道を選んだ、腕の中の刃。
 お前がもしも、その姿になる前にこの事を知っていたならなんと言っただろう。
 ため息をつきそうになる自分に気付いて苦笑。
 杯を返そうとすると、空のはずのそれから、銀に光る環が二つ落ちた。

「……金剛。どうしたんだ、これ」

「先程倒した冒険者が落として行きましてな。武勲は主に捧げるが道理でしょう」

 普段と変わらない様子のまま、杯を受け取って、天狗が闇に下がる。

 どうやら、何を思っているのかなど筒抜けらしい。

「正宗。持っててくれるか」

 柄にかかる留紐に、銀の環を二つ通してみる。
 二つが触れ合って、ちりし、と微かに音が響く。
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ラグナロクオンラインのアマツ萌え&自キャラによる人形遊びな実験的短編置き場

といいつつ、いろいろ詰め込んであります。

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